日本の「オタク」をヨーロッパに紹介した第一人者、
Etienne Barral のオタク論を日本語訳したもの。
ジャンプとかアイドルとかイジメとか、
日本人には近すぎて見えないようなことも
独自の観点から観察してくれているのでかなり新鮮です
なにより、調査量がハンパない!
ということが紙面から伝わってきます
宅八郎や渡辺浩弐など、知る人ぞ知る
オタクの黎明期を支えた人物の紹介はもちろんのこと
後藤久美子や松田聖子の売れ方の分析、
また実際のオタクへのインタビューも多く所収されてます
ただ「紹介」ということにとどまっていて、
「論」としては少し物足りなさが残るのもまた事実。
日本人的には、
この本一冊を通じての作者の解釈が見えるともっとよかったかと
もちろん、オタク文化を違った視点から見つめなおせるという
楽しさはダントツです!
一見の価値あり。