『オタク・ジャポニカ』

March 8th, 2006

オタク・ジャポニカ日本の「オタク」をヨーロッパに紹介した第一人者、
Etienne Barral のオタク論を日本語訳したもの。
ジャンプとかアイドルとかイジメとか、
日本人には近すぎて見えないようなことも
独自の観点から観察してくれているのでかなり新鮮です

なにより、調査量がハンパない!
ということが紙面から伝わってきます

宅八郎や渡辺浩弐など、知る人ぞ知る
オタクの黎明期を支えた人物の紹介はもちろんのこと
後藤久美子や松田聖子の売れ方の分析、
また実際のオタクへのインタビューも多く所収されてます

ただ「紹介」ということにとどまっていて、
「論」としては少し物足りなさが残るのもまた事実。
日本人的には、
この本一冊を通じての作者の解釈が見えるともっとよかったかと

もちろん、オタク文化を違った視点から見つめなおせるという
楽しさはダントツです!
一見の価値あり。

『海馬―脳は疲れない―』

February 10th, 2006

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「あ、頭のよくなる薬を、ほんとうに見つけてしまった
‥‥どうしよう?」


『バカの壁』ってまだ読んでないんだけど、確か脳の本だよね
日本テレビで土曜日も記憶についての番組やるみたいだし
流行に乗って、脳と記憶の本を紹介です。

対談形式で、脳の研究をしてる池谷裕二という学者が
こういうことよくあるなぁ~、とか
こういうやついるよなぁ~、って身近な話題から
脳の仕組みに切り込んで行きます

トリビア的な豆知識から
効率のいい休憩のとりかたや
クリエイティブってなに? みたいな
役に立つ知識まで


これが、すごいわかりやすい! かつ面白い!!

なんせその対談の聞き手役というのが、
われらが糸井重里氏。

「ほぼ日」の、
「マザー」の、
「チキチキ芸能界釣り選手権」の、
「徳川埋蔵金」の。

残像に口紅を

February 2nd, 2006

「そうだ。果物の汁、なんてものは、できないか」


ドラマ出すぎ作家、筒井康隆の
奇書『残像に口紅を』の一節から。
『幽々白書』でもこんなゲームがあったけど、
間違いなくこれが元ネタです

主人公の使える言葉、そして小説を構成する文字のなかから
使える文字が、一つずつ消えてゆく。
上の文だと、「ジュース」って言いたいんだけど
「ス」が消えてるから言えない。

最後のほうになると使える文字が限られてきて、
苦しい言い回しも多くなっていくのだけど
それでも物語としては破綻せず、きちんと完結しているあたり
さすが筒井康隆。 ドラマ出すぎだけど

言葉というものの意味を考えさせられる、
歴史に残る変な本。

普通の本じゃ満足できない、刺激を求めるあなたにオススメ!


(フランス語できる人はジョルジュ・ペレックの『失踪』もチェケラ
なんと、欧文で最も頻繁に使われるはずのあの文字が「失踪」しています)